税理士の日常にも「美学」を
日々、税理士としてお客様の税務をサポートする中で、時間や数字に追われ、自分のリズムを見失いそうになることがあります。
そのような中、青田麻未さんの『「ふつうの暮らし」を美学する』を読んでハッとさせられ、私も税理士としての日常に潜む「美」を見つめ直したいと思いました。
特に本書にある下記の一節に共感しました。
vlog撮影者の日常はその人が自分で乗りこなしている状態にあり、いわば心地よいリズムが奏でられているようにみえる
私自身、仕事に追われる日々の中で、ふとSNSで流れる他の税理士仲間の投稿を見て、彼らは日常を「乗りこなしている状態」にあり、一方で自分は「乗りこなせていない状態」なのではないかと焦りを感じることがあります。
しかし、本書で取り上げているようにvlogなどで自分の日常を客観的に見つめ、主体的に選択していくことで、仕事もプライベートも、より自分らしく「乗りこなせる」ようになるのではないかと考えます。
著者の言う『vlogを撮る』ことは、私の場合は『SNSやブログで発信する』ことに置き換えられます。私は現在、SNSやブログなどで税理士業務に関する発信をしています。例えば、顧問先とのやりとりで学んだことや感動したこと、日々の業務で工夫していることなど税理士としての日常を発信しています。
この発信を通じて私は何が得られるのでしょうか、これまで自分では上手く言語化できていなかったのですが、本書では著者が下記のように言語化しています。
vlogを撮ることは、自分の日常を自分で眺める習慣をつけ、自分なりの「改善」を模索していく技法として機能するのではないでしょうか。ルーティーンやそれに関わるものを自ら選び取る作業は、言うほどにはかんたんなものではないように思います。しかしこの課題に少しずつ向き合い、徐々に私の生活をつくり上げていく過程そのものが(中略)誰かの模倣者ではなく、私たち自身が自分の生活世界の制作者として生きられるようになれるかもしれない
発信を通じて、私は自分の日常を客観的に見つめ、改善点を見つけ、自分らしい税理士としての働き方を模索しているのかもしれません。そして、この過程から私は誰か他の税理士の模倣ではなく、自分の世界を築き上げ税理士としての成長につながると考えます。