「電卓を持ってない税理士」になって気付いたこと
電卓?
税理士ですが、持ってません。
正しくは、電卓を持っていますが、持ち歩いていません。iPhone標準アプリの電卓(以下、iPhone電卓)で十分だからです。
電卓を持ち歩くことをやめる、つまり、税理士にとって必須と思っていた電卓を手放すことで「税理士業務の効率化」につながりました。
電卓を持っていた理由
私にとって電卓が身近なものになったのは、税理士試験受験生時代にまで遡ります。
試験問題を時間内に解くためには電卓が必須で、さらには、ある程度の電卓を叩くスピードが求められます。また、私は右利きですが電卓を左打ちにしたり、電卓の表示桁数にこだわるなど、税理士試験受験生には、程度の差こそあれ電卓に対するこだわりがあるものです。
このように、税理士になるための受験生時代から電卓を持ち歩き使っていたので、税理士になってもなんら疑問も持たずに電卓を持ち歩き使っていました。
「税理士の仕事道具といえば電卓」、誰かから教わったわけではありませんが無意識のうちにそう思っていました。
電卓が使えない・・・
電卓を持っていても、決して壊れているわけではないのに、使えないときがあります。
それは、室内の光が十分でないときです。
先日、お客様宅にて打合せのとき、税金の試算を試みましたが、電卓が使えないことがありました(キーを叩いても叩いても表示画面が真っ暗…)。なぜなら、私の電卓はソーラーで動いているので暗めの部屋では使えないのです(暗いといっても日常生活に支障がない程度の暗さです)。
あいにくその日は部屋のライトの調子が悪く、これ以上明るくならないとのことなので、電卓の使用を諦め、iPhone電卓を使ってなんとかその場を切り抜けました。
実は今回のように電卓が使えないときは稀にあります(例えば、昼間は部屋のライトを付けず、自然光のみのお部屋など)。
「電卓を持ってない税理士」あらわる
前述したように、電卓が使えずiPhone電卓でその場を切り抜けた経験があること、さらには、ネット検索すると「電卓を持ってない税理士」の方が既にいらっしゃった(詳しくはこちら)ことから、実際に電卓を持ち歩かずに仕事をしてみました。
DAY 1
会計データ監査のためお客様のところへ訪問。最初は電卓を持ってないことに対する不思議な感覚がありましたが、仕事をする上で特に問題なし。
DAY 2
お客様との打合せのため訪問。電卓が無いことに慣れました。特に問題なし。
2日間の経験ですが、電卓を持たずにiPhone電卓で特に問題なかったです。
iPhone電卓の注意点
電卓を持ち歩かずにiPhone電卓を使う際の注意点として、以下の3点+αがあります。
1.複雑な計算機能を使いたいときは横表示
メモリー機能を使いたいときは、画面を横にすると使えるようになります。
そのほか色々な機能があります。sin(サイン),cos(コサイン),tan(タンジェント)・・・使いません。
2.入力を間違えた時はスワイプ
数字を間違って入力したときは、数字部分をスワイプすることで1文字ずつ消すことが可能です。
3.計算結果をコピーしたいときは長押し
計算した結果部分を長押しすると、コピーすることができます。
+α iPhoneのバッテリー残量に注意
iPhone電卓を使用すると、もちろんバッテリーを消費しますので残量にはご注意ください。
まとめ ~「電卓を持ってない税理士」になって気付いたこと~
前述したように、電卓を持ち歩かずとも問題なく仕事が出来ました。
しかし、もし現場で膨大な量の集計作業が必要な状況であれば電卓は手放せなかったでしょう。
つまり、電卓を持ち歩かないようにするためには、電卓を使った集計作業を手放す工夫、例えばクラウド会計ソフトやExcelを使って電卓を叩く(人力で集計する)回数を減らす仕組み作りが必要です。
この電卓を持ち歩かないための仕組み作りは、既存の業務のやり方を見直すことになり「業務の効率化」につながります。さらには、それで得た時間・スキルを使って新たな価値提供につなげることも可能です。
お客様の目の前でスピーディに電卓を叩くことは、ある意味自己満足でしかなく、お客様の満足につながるものではありません。つまり、お客様が税理士に求めるものはそれではないのです。
電卓を手放すことで、①「税理士の仕事道具は電卓」という先入観が「税理士業務の効率化」の妨げになっていることに気付き、また、②税理士として価値提供すべきものは何かを考える良いきっかけになりました。