税理士がすべきことは決断と行動 〜『IMONを創る』いがらしみきお 著を読んで〜
税理士として仕事をしていると、決断と行動を迫られる様々な場面に遭遇します。
例えば顧問先から、役員報酬はいくらが妥当なのだろうか、事業承継はいつ・誰にさせるべきなのだろうか、経理業務ソフトはどれにしたら良いだろうかなど、現時点で起きていることだけではなく、未来に向けてのご相談を受け、それに対して、ああしたらいいんじゃないかこうしたらいいんじゃないかと判断し、顧問先の決断と行動を促します。
このように、税理士として仕事をしていく上では、その時々で決断と行動を迫られます。ただし、あくまでも未来になってみないと、この決断と行動が正解であるのかはわからないものです。
間違いは犯したくありません。ましてや、税理士という税務のプロとして判断するのだからその決断と行動には責任が伴い、なおさら間違いを犯したくないものです。
正解なのか間違いなのかわからないものに決断と行動をしていく。これはとても怖いものです。その怖さから目を背けて、決断と行動を保留したくなることもあるでしょう。顧問先からの相談に対し、いつまでも回答せずに逃げ続けたくなることもあるかもしれません。
ただし、ここで確実に言えることは、逃げて決断と行動を保留しても、なんら物事は解決しないし、ましてや誰かが代わりに決断と行動をしてくれるものではない、決して目の前からなくなるものではないのです。そして、保留すればするほど事態が悪化するのです。
であるから、考えに考えぬいた末に現時点で最善であろうとする方向性を見出し、腹を括って決断と行動をしていかなければなりません。
恐れず、逃げずに未来に向けての決断と行動をしていくことが税理士に求められていること、税理士の役割なのではと考えます。著者の言うように『いかなる問題が起ころうとも、”しない”ことによって解決しようとしてはいけない。常に”する”ことで解決するしかない』ものと受け入れて税理士を続けていこう。
我々は”正しいこと”なんかできはしないのだ。できるのは”すべきである”決断と行動という情報処理だけである。そして、その結果が正しくなかったとしても、我々はリアルタイムであることをやめてはならないだろう。それに続く”すべきである”決断と行動という情報処理を、継続するしかない。いかなる問題が起ころうとも、”しない”ことによって解決しようとしてはいけない。常に”する”ことで解決するしかないのだ。